“きよのさん”と歩く江戸六百里



“きよのさん”と歩く江戸六百里
“きよのさん”と歩く江戸六百里

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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江戸時代に行って旅をしたくなる本!

羽州・鶴岡の商家の内儀・三井清野(31歳)は文化14年(1817年)3月下旬、日光、江戸、京都、大坂を巡る108日間、2,340kmの旅に出ます。のちに化政文化と称されるこの時代は、文化の担い手が上方から江戸や各地方へ、さらにの一般町人にも広がっていった江戸文化の成熟期にあたります。
 江戸の藩邸では、江戸観光に藩士が案内役としてつくなど、商家の内儀に武士が観光案内をするというのは驚きで、実際の身分制度は学校で習う歴史知識とはニュアンスが違うようです。また江戸や京都で反物や着物など実にたくさんの買い物をしますが、家から為替で送金してもらったり、品物は飛脚便で山形まで送るなど、当時の金融、物流の具体例が新鮮で、近現代というのは江戸時代から連続していることを実感します。
日記を通じて伝わってくる”きよのさん”は、おおらかで物怖じせず好奇心旺盛な女性で、旅費やその善し悪し、各地の飯盛女のファッションの批評、出女に厳しかった関所の通り方、あるいは関所抜けの裏技が記されるなどが著者・金森さんの補足説明によっていきいきと伝わってきます。
タイトルほど“きよのさん”が身近に感じられない

小谷野敦ほどでは無いが、ここ数年の江戸をお気楽に見る風潮には、
今更ながら違和感を感じる。元の日記といってもメモのようなもの
なので、無理にふくらませて厚い本に仕上げたという感じは否めない。
(結構な値段ですから・・)

もっと、日記の記述の変化に踏み込んで考察すれば“きよのさん”
がどのような思想の持ち主だったのかが見えてきたのではと、残念
に思う。というか、題名と帯を見ただけでは、そういう書籍に
思えたので、期待が大きかったのかもしれません。

金森敦子さんの得意な関所の話題が多く、仏教関係のウンチクが
行く先々で記述されるのだが、読み進むうちに聞き飽きてくる。

最後まで“きよのさん”の人物像は浮かびあがらなかった。
というか、金遣いが荒く、食べることばかり考えている特権階級の
女性といった感じ。最終的には、江戸時代の女性が生き生きと暮ら
していたと、最近の江戸物の書籍のようにまとめている。が、不幸
な女性もとても多く、そんなはずは無いことはちょっと想像すれば
わかると思う。

地域によって、旅館でのもてなし方に上等・下等があったり、娼婦の
立場が違っているのは、実例に即している情報なので有り難かった。


女性目線の旅

1817年、故郷羽州鶴岡(山形県)を出発してお伊勢参りの旅に出た三井清野。地元の豪商の娘であり夫も子どももある31歳の女の旅日記が本書。その旅の途中で経験したさまざまなことが女性ならではの視点でいきいきと描かれている。

清野は好奇心旺盛で怖い物知らずな性格と見え、ずいぶん大胆な旅をしたようである。裏金をつかませて関所を抜けたり、男性でも怖がったという外洋に出る船に乗って川を越えたり・・。そしてびっくりするほどよく食べ、よく飲んだ。神社仏閣を参拝しつつ、庶民の暮らしぶりや土地土地の風物にも目を向ける。女性だけにさすがに同性のファッションチェックは厳しい。髪型や服装がダサいとか、または垢抜けているとか。旅籠屋のサービスのよしあしまでしっかり評価している。行く先々で名物を食べ、おみやげも山ほど買って、今でいうところの宅配便で故郷に送る。

コネを利用して江戸藩邸を見学したり、京都では取引先の商家の案内で寺社に詣でたりと、銭金に糸目をつけずに使うこと使うこと。飲食代、宿泊代、山ほど買ったおみやげ代、いったいこの旅で清野はいくら使ったんだろう?と思ってしまう。大胆で闊達な清野と共に本州の半分を旅した気分になれる。



バジリコ
江戸庶民の旅―旅のかたち・関所と女 (平凡社新書)
幕末下級武士の絵日記―その暮らしと住まいの風景を読む
伊勢詣と江戸の旅 (文春新書)
ニッポンの旅―江戸達人と歩く東海道
旗本夫人が見た江戸のたそがれ―井関隆子のエスプリ日記 (文春新書 606) (文春新書)




歴史とは何か (岩波新書)

[超図説] 日本固有文明の謎はユダヤで解ける (超知ライブラリー)

“きよのさん”と歩く江戸六百里

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“玉砕”の軍隊、“生還”の軍隊―日米兵士が見た太平洋戦争 (講談社選書メチエ)

“真珠湾”の日 (文春文庫)

“戦争責任”とは何か―清算されなかったドイツの過去 (中公新書)

“知”とグローバル化―中世ヨーロッパから見た現代世界

“朝鮮”表象の文化誌―近代日本と他者をめぐる知の植民地化

〈図説〉ヨーロッパ地上戦大全―決定版 (歴史群像シリーズ)




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