“真珠湾”の日 (文春文庫)



“真珠湾”の日 (文春文庫)
“真珠湾”の日 (文春文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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メチャクチャ良い本とは言いませんが

章立てというか、中身を細かく区切っていあるので読みやすいです。
真珠湾攻撃に至る道のりがスラスラ読めるのは良い点ですね。
しかし、ハル国務長官のことを個人的に恨みがあるのかと思うくらい、
いきなりこき下ろしたり、記述方法にバラツキがあるのがいただけません。
歴史的な説明で「えー、そうかなあ?」と疑問に思う点も多々ありましたが、
まあまあトンでもない記述もそう無く、読み物としては良くできた本ではないか
と思います。
歴史を結果から評価することの愚かさ

著者は、ルーズベルトの全能陰謀史観でも無く、大日本帝国首脳の無責任無能論に陥ることも無く、
判明している史実を淡々と積み重ねることによって、真珠湾へと至るプロセスを解明していきます。
今となれば歴史上の人物たちが、その時々でどういう判断を行ったのかを、
結果を知りうる歴史家の立場ではなく、あくまで結果を知らない同時代人の立場で描いています。
(時々歴史家の立場も出てきますが)
明治の日本を絶賛し、昭和初期の日本を全否定する司馬遼太郎氏も、
勝ち戦(日露戦争)と負け戦(太平洋戦争)という結果から評価しているにすぎないと
思ってしまいます。
開戦に至るプロセスの解析

21世紀に入ってもイラク戦争が勃発し人類は絶え間の無い戦火に曝されています。「ノモンハンの夏」で日本を世界大戦に巻き込むきっかけとなる関東軍参謀たちの暴走を客観的に描いた半藤氏の作品として興味深く読ませてもらいました。対戦前夜の日米外交官の息詰まる交渉と戦争を何とか回避したい良識派の人々の努力、開戦に向かって直走る軍部の様々な動きを時系列で追いながら分かりやすく解析されています。今でも我々の心をよぎるなぜ日本があの無謀な戦争に突入してしまったのか、開戦は必然で避けえなかったのかという疑問、それを解く鍵を示す作品です。日米両国の外交当事者の努力だけでは回避することは難しかったのかもしれませんが、もう少し粘り強く交渉の継続を行っていればあれほど不幸な事態を招くことは避けられたのかもしれません。いずれにせよ戦争は何の幸福ももたらしません。真珠湾攻撃に参加した航空隊の90%の若者が終戦までに戦死されているという厳然たる事実を前にすると怒りと空しさがこみ上げてきます。戦没した方たちの冥福を祈るとともに不戦の誓いを新たにしました。



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